魚屋さんの悩みと中トロ。

主役は魚屋さんのお刺身


台風の余波で、今日も体調不良。
正直なところ、お献立を考えるのも、ごはんを作るのもしんどい。
かといって、買ってきたお惣菜や店屋物を食べる気分にもならないし‥。
こんなときの強い味方は、お刺身。
夫に帰りがけにお買い物を頼んだ。

いつもの魚屋さんに寄った夫は、「あ、そうそう」と、店の奥さんに話しかけた。
先日のアジ、フライにしたら、柔らかくてジューシーでとっても美味しかったです」
「まあ、ちゃんとアジフライ作ったんですか。よかったよかった」
奥さんがちょっと驚いた顔をした。
夫は一瞬、話が見えなくて、答えに窮していると、ご主人もわざわざ奥から出てきた。
「いらっしゃい。アジフライしたんですか。揚げたてはウマイよねぇ。でも最近は、自分で作る人が少なくてね」
「そうなのよね。ほら、スーパーで揚げたのを売っているでしょう。そういうのを買うみたいなんですよ」
「ウチもすぐにフライにできるよう、おろして骨を取って売ったりしているんだけど、なかなかね。揚げたてのウマイのを食べて欲しいと思うんですけれどね、これも時代ですかな」
三人は、ほんとにおいしいのにねぇ、と呪文でも唱えるみたいに口々に言って頷いた。

魚屋のご主人が気を取り直すように、元気よく言った。
「ところで、ご主人、何のお刺身にしますかね」
「この白身、マトダイにしようかな」
「ハイよ。中トロはどうです?極上だよ。900円のところを、もう仕舞いの時間だから、半額にしときますよ」
「じゃあ、それも」

そんなわけで、今夜の食卓の主役はお刺身。
半額の中トロは、腕のいいお寿司屋さんで握ってもらいたいくらいの美味でした。


☆この夜のお献立;
お魚屋さんのお刺身(マトダイ・中トロ)、かぼちゃとししとうのお煮物、焼き茄子の寒天添え、ぬか漬けと昆布佃煮、寒天のところてん風、白粥。梨。

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