トウキョウ桜ツアー(2)〜浜離宮と人形町の巻

浜離宮(浜離宮恩賜庭園)へ。
もともとは徳川将軍家の別邸(お屋敷と庭園)でしたが、明治維新で皇室の離宮となりました。
その後、関東大震災や戦災で、御茶屋などの建物や樹木が損傷し、往時の面影は失われてしまったそうです。
昭和20年に東京都に下賜され、公園として整備され、公開されるようになりました。
園内は、おおよそ都内とは思えないほど多くの植物が茂り、四季折々で美しい景色を観賞できます。

入り口近くの「三百年の松」を通り足をすすめると、突然、鮮やかな菜の花の黄色が広がります。

浜離宮の菜の花1

浜離宮の菜の花2

上の写真は、浜離宮入り口方面から海を臨む方向、下の写真は海側から汐留を望む方向です。
汐留の高層ビル群が、なんとも不思議な光景。
海風を遮って、東京のヒートアイランド現象の一因となっている、というのも頷けます。
ここは「お花畑」と呼ばれる場所で、春は菜の花、秋はコスモスが一面に咲き乱れます。
あたりの空気は、満開の菜の花の花色と花粉で、黄色く染まっていました。
うっとりしてゆっくり眺めていたら、目も鼻もむずむずしてきました。
ああ悲しいかな、花粉症。


夜は人形町のお寿司屋さんへ。
K寿司は、江戸前寿司の老舗。
ネタがいいのはもちろんだけど、そこへ施される“仕事”が素晴らしい。
ご主人のY氏の手にかかると、どの魚も、姿も味も、きらりと美しい輝きを放つのです。
今回堪能したのは、ひらまさ・鯛・すみいか・煮いか・小肌・さより・赤身・中とろ・みる貝・穴子・玉子・かんぴょう巻き。
姿を愛でてから、そっと舌に乗せると、口の中で寿司飯がはらりとほどけ、魚の甘みや歯ごたえが踊り出します。
煮切りが全体をそこはかとなく包み、魚によって工夫される柚子の香りやツメ(タレ)、中に忍ばせたおぼろなどが、時に強く時にやさしく、魚に寄り添います。
飲み込んでしまうのが惜しくて惜しくて、ああなんて美味しいの!
そして、ここでの密かな楽しみが干瓢巻き。
そんじょそこらのかんぴょう巻きとは、似て非なるものなのです。
こっくりしたべっ甲色のかんぴょうは、甘辛さもやわらかさも絶妙で、それを山葵を入れた海苔巻きさんにしていただきます。
初めて食べたときから、夫もわたしもこの干瓢巻きの虜なのです。
さあ、最後にこれをいただいて、夢のような時間も終わり。
年に二、三回くらいしか行けないので、常連さんには程遠いお客なのですが、K寿司はいつ訪れても温かく迎えてくれます。
もっと家から近いところにあったら、ぜったい通いつめるのに、と思うけれど、そうしたらお財布が悲鳴をあげそうです。笑

「とても美味しかったです。ごちそうさま」
「どうぞまたいらしてくださいね。お待ちしています」
ご主人の声に見送られて店を出ると、花冷えというには寒すぎる風が、夜桜を揺らして人形町を駆け抜けていきました。

夜桜も美しい人形町、水天宮前



隅田川の夜景。
左手中ほどに、浜離宮の海岸(運河)が見えます。
高層マンションが林立する光景は、まるでニューヨーク、映画みたい。
赤いお花見屋形船が、日本のマンハッタンに下町人情の明かりをひとつひとつ灯すように、のろのろ川を上っていきました。

隅田川の夜景


‥‥トウキョウ桜ツアー(3)へ続く。

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