男が通いたくなる魚屋のお刺身。

今日も夏バテ(梅雨バテ)でぐったり。
昨日のうなぎは、ポパイのほうれん草ぐらい効果があったけれど、翌日以降も効果を持続させるのは難しかったらしい。
そんな状態だったので、晩ご飯をつくるのも少々しんどい。
「お刺身を買ってきてください」と、夫にお願いしました。
夫が馴染みのお魚屋さんに駆け込んだのは、閉店間際。
というか、正確には店を閉めたところ。
お魚屋のご主人は水を流しながら、大きなブラシでごしごし床を掃除していました。
走ってきた夫を見て、ああ、あのお客さんね、とピンときたようです。
「す、すみませんっ、まだいいですか」
ご主人はブラシの手を止めると、にっこりしました。
「へい、らっしゃい。もうこんなですけれど、どうぞどうぞ。お刺身ですね?」
ううむ、完全に読まれている‥。笑
「今日は何がいいですかね」
と、ようやく息を静めた夫が訊きました。
この店では、コレが欲しいというのももちろんいいのですが、ご主人にお任せするのが楽しいのです。
「そうね、イサキがいいのが入っていますよ。ああそれと、中とろはどう?ほんとは800円なんだけど、600円でいいですよ」
見れば、いかにも脂ののった美味しそうな中とろ!
夫は思わず、のどを鳴らしました。
「それじゃあ、イサキと中とろをください。うーん、旨そうですねぇ」
「ははは、ほんとに美味しいですよ。ご主人、帰ってからコレですね」
お魚屋のご主人はそう言って、片手を軽く丸めて、くいっと杯を干す仕草をして見せました。
ほとんどの店がつぶれてしまった、ウナギの寝床のような古ぼけたストアの中。
お魚屋のあたりだけ、いつも清潔で温かい明かりが灯っています。
年配の人や中年の奥さん、お金持ちそうな夫婦など、さまざまなお客がぽつぽつと、途切れそうで途切れない程度にやってきます。
上等な魚に、訊ねればいろいろ教えてくれる、物腰やわらかなご主人。
一日の疲れを滲ませたスーツの中年男が、ふらりと立ち寄り、店主と一言二言交わす。
ぴかぴかに明るいスーパーとはまったく違う店の佇まいが、そんなお客も何の違和感もなく、すんなりと受け入れるのでしょう。
「‥‥というわけでね、このお刺身、お得だったんだ」
夫は嬉しそうにそう言うと、分厚い中とろを舌の上に乗せました。
そして、八海山をくいっとすすります。
「ウマイ!やっぱりあそこの店は、美味しいのを置いているね」
「イサキもとっても美味しいわよ」
「うんうん、イサキもウマイねぇ。魚もいいし、それにちょっぴりオマケしてくれたっていうのが、またいいんだよな」
あら、スーパーの安売り広告には興味が無い顔をする夫も、“特別な値引き”は弱いようで。
ふふふ。
☆7月3日(月)のお献立;
お刺身(いさき・中とろ)、五目豆、きゅうりとゆで卵(明太子マヨネーズのディップ添え)、糸寒天ときゅうりの中華風サラダ、生姜入りお粥さん。
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